投資物件の管理

【良いマンションとは】優良物件の見分け方

マンションの優劣は価値観次第

マンションを購入する際に、「良いマンションに住みたい」とは誰もが思うことでしょう。では、「良いマンション」とはどのようなマンションのことを言うのでしょうか。

それは、物件自体の優劣よりも、購入者の価値観によって変わってきます。ですので、一概にこのマンションがよいと断言することはできないものです。一般的に、値段と物件の利便性は比例していると考えられます。安いマンションは、例えば駅から遠かったり、都心から離れていたりとなんらかの理由があるものです。逆に、高額なマンションであれば、最新設備が揃っていたり、共用部分にライブラリーや展望ルーム、ゲストルームなどがあったりとこれもまた、高額である理由があるのです。

現在、新築分譲マンションには、さまざまな特徴、設備、間取り、サービスがあります。良いマンションを探すために大事なことは、「あなたはどんなマンションが欲しいのか?」を明確にすることなのです。

あなたが欲しいと思っているマンションに近い物件が、あなたにとっての良いマンションとなるでしょう。
まずは、どんなマンションが欲しいのか、そのイメージ作りから始めましょう。

メリット・デメリットを考える

欲しいと思っているマンションをイメージするときに、各条件のメリット・デメリットを考えることを忘れないようにしましょう。 例をあげれば、「駅に近いマンション」を希望するとしましょう。駅に近いということは、電車を日常的に使う人にとってはとても魅力的なメリットです。しかし、裏を返せば、駅に近く終電付近まで人が絶えないため騒々しい、というデメリットも考えられます。

全てが揃って、手頃な価格のマンションはありません。そのような素晴らしいマンションがあったら、誰も悩まないのです。
欲しいと思っているマンションをイメージするということは、裏をかえせば「妥協点を探す」ということでもあるのでしょう。

遮音性・断熱性をチェック

良いマンションの判断基準として重要なポイントは、「遮音性」と「耐熱性」です。現在ではマンション入居者のクレームの約50%が生活騒音といわれ、「遮音性」の高い住まいはプライバシーを守り静かな暮らしを提供してくれます。「耐熱性」は、夏の熱気や冬の外気を跳ね返して、年間を通して室内を快適な空間にするためにもチェックしておきたいポイントです。

2種類の音で防音対策をチェック!

遮音性をチェックする場合、2種類の音を知る必要があります。1つは直接物を通して伝わる「個体伝播音」もう1つは空気の振動を利用して伝わる「空気伝送音」といい、各音の性質にあった防音対策がされているかを調べることが大事です。「個体伝播音」はドスンという子供が飛び跳ねるような音やスリッパの音などをいいます。ドスンという音など、コンクリートでできている床が揺れて起こる騒音の場合は、床スラブの厚さが遮音性の高さに比例します。スリッパの音の場合などは、床の仕上げの構造がフローリングなのかカーペットなのか、床の工法が直張りなのか置き床なのかなどによって変わってきます。これらの音をチェックする指標としては、「遮音等級」といって「L-○○」という様に表示され、L-50が標準位とされます。L-30など数字が小さいほど遮音性が高い数値となります。

そしてもう1つの音、空気伝送音には、隣家と接する壁を通して伝わってくるものと外の音が窓を通して伝わってくるものがあります。これは壁の厚さと窓ガラスの遮音性などで決まります。窓ガラスは防音サッシや二重サッシの方が普通のサッシより防音効果に優れ、壁の厚さは厚くなるに従って音は伝わりにくくなります。

省エネ効果もある注目の断熱性!

高温多湿の日本では「夏を快適に過ごす」住まいづくりが重要とされてきましたが、最近注目されつつあるのが暖房効果も含めた「冷暖房による耐熱性」です。隙間風等による冷暖房効果の悪さは光熱費がかさみ省エネという点でもよくないとされ、また極端な温度差は結露を発生させたり、ヒートショックなど健康面にも影響があるといわれています。断熱性とは、熱が移動するのをどれくらい抑えることができるかを表します。天井、壁、床などの材料の中で、より熱を通しにくいものを使用している方が断熱性が高いということになります。また耐熱性は、地域ごとの気候・風土に合わせたものである必要もあります。夏に涼しく、冬暖かい快適な生活をおくるためにも高性能断熱材が使用されているかどうかをチェックしましょう。

立地をチェック 優良物件の見分け方

物件選びを始めるにあたって、立地は最も重要なポイントの一つです。実際に現地やモデルルームを見に行ったり、不動産の担当者などから情報収集を行うことが大事です。

駅近が必ずしも良いのか?

まず、物件選びの時に、優先したい立地のポイントを整理しておきます。

例えば、・通勤、通学の時間を考慮した交通事情、・生活利便設備の有無、・周辺の環境はどうか、・子育ての環境(公園の多さなど)はどうか、などがあげられます。漠然と駅前は価格も高いが人気物件である、と思われがちですが「人気の一等地=好立地」とは限りません。駅からバスに乗る必要性のある立地であっても、好立地の条件にあてはまるものは存在しますし、ご自身の優先したいポイントが充実していれば好立地といえます。例えば子供がいる場合は学校が近いか、お年寄りがいる場合は病院や医院が近いか、また主婦の場合はスーパーマーケットが近くにあるかなど、ケースによって利便性も大きく関わってきます。通勤通学に電車を使う場合は、沿線や駅、駅からの距離もだいたい決めておきましょう。同じ最寄駅でも、駅周辺と駅からバスの物件では、環境や価格も違ってきます。あらかじめ自分が「外せない条件」はどれか確認しておきましょう。

将来の人生設計を考えて立地を選ぼう!

例えば現在独身である方ならば、自分だけの基準で広さや使い勝手を決めればいいかもしれませんが、「マンション購入」となると将来の人生設計が好立地の条件にも大きく関わって来ます。例えば結婚しているか、また将来結婚して子供は何人いるだろうか、生涯住み続けるつもりで買うのか、賃貸に出したり、売却する考えもあるのか…などで立地の「好条件」も変わってくるのです。

将来賃貸や売却を考えている場合は、広さよりも資産価値が守られる「駅近であること」「住環境が整っている」「アクセスがよい」といった一般上での立地条件のよい物件を探す必要があります。立地エリアの再開発や鉄道延伸などの影響も検討しましょう。また、賃貸や売却を考えない場合でも、子育ての環境を重視した公園や広場が多い郊外がよいのか、通勤上の交通アクセスを重視した都心にこだわるのか、また都心の会社で自分は将来もずっと働いていくのか、将来両親と暮らす予定はないか、また同居する場合は何歳位からの予定か、その場合マンションはどうするのか…などなど具体的な人生設計を考えた上で選ぶことが大事です。

設備をチェック優良 物件の見分け方

住まいの設備は、日進月歩の速さで進化しまた多種多様になっています。たくさんの設備機能がある中で、自分に何が必要かを見極めることが大事です。

人気の設備ってどんなもの?

一般的に取り付けられている設備には浴室乾燥、床暖房、生ゴミを流すディスポーザー、IHクッキングヒーター、食器洗濯機、TVモニター付きのインターフォンなどがあげられます。またお風呂にTVがついていたり、駐車場設備、トイレの設備にこだわりを持つ方も多い様です。人気の設備ランキングでは、24時間換気システム、間接照明、床暖房、ディスポーザー、システムキッチン、全自動洗濯機、ペアガラスサッシ、機械式駐車場、耐震ラッチ、網入りガラス、外断熱などが上位にあげられているようです。このほかビューラウンジや、ミストサウナ設置、公共部分にライブラリーがあったり、ゲスト用の客室があったりと、マンションによって設備が実に多岐に渡っているので、ご自身にとって好みの設備を選びましょう。

最新の設備はどんなもの?

最新のマンションでは多くの先進的な設備が整えられています。中でも特に著しいのが、ITを利用した設備です。マンション独自のブロードバンドサービスがあったり、防犯システムに役立てていたり…その利便性はとどまるところを知りません。
例えば、「コミュニケーション機能」。マンション内の回覧板機能の電子化や、管理組合からのお知らせが各世帯にダイレクトに届いたり、またその文書が保存されていくので好きな時に確認することができます。
「セキュリティ機能」では、オートロックのインターホンのTVモニターで来訪者の動画を確認し、その場でオートロック解除ができたり、不在時には来訪者の静止画を録画できたりします。Webカメラを取り付けてキッズルームなど共用部の確認もできます。
「コンビニエンス機能」としては、公共施設などの所在地を調べたり、生活情報のチェックなどが、ワンタッチで行えます。インターネット設置に関しても、細いケーブルを使って無理矢理配線するよりは部屋に無線LANが届く、ということもチェックしたい項目です。個人で回線を引くよりブロードバンドマンションの方が効率良く快適な環境を構築することができます。そして各機能をチェックする際には、便利さというよりも「使いやすさ」という点にポイントをおくように心掛けましょう。

間取りをチェック

マンションの間取りを考える時に、大きく関わってくるのが構造の問題です。間取りを選ぶ前に、それぞれの間取りの特性を見ることが大事です。例えば部屋割りをする前の基本的な型が、四角い箱型の「田の字プラン」なのか、玄関がセンターにあり真ん中がへこんでいる「センターインプラン」なのか、奥行きより間口が広い「ワイドスパンプラン」なのか、2面遮光のつくりになっていて景色が眺望できる「タワー型プラン」なのか、それぞれのメリットデメリットを見て構造を選び、そこから間取りを考えていく必要があります。

収納やメゾネットをうまく取り入れよう!

最近では、間取りを選んだり購入者が考えることができるマンションも増えて来ました。全体の面積があまり広くない場合には、部屋数を減らして空間を広くとり、よりゆったりとできる様な間取りづくりが重要になってきます。また、収納を集中させうまく作ることも部屋を広く使う上で大切です。壁収納や可動収納も近年増えてきてウォークインクローゼット、シューズインクローゼットも一般的になりつつあります。

また、マンションでありながら、戸建て感覚を味わえるメゾネットタイプも人気の間取りです。メゾネットとはマンション内に内階段がついているタイプで、天井が比較的高く開放感があります。デメリットとしては敷地面積が広がるので価格も高くなりがちで、光熱費等もやや高くなります。しかし、マンションが傾斜地に建てられている場合など、条件を利用した1階+地下(あるいは2階)などのメゾネット物件もあり、その場合は比較的お求めやすい価格で購入できます。地下にマシンを置いてトレーニングルームにしたり、防音にして音楽スタジオとして利用したり、庭の見える位置にお風呂をもって来たり…などメリットを最大限に活用した住まいづくりが楽しめるのは魅力ですよね。

一般的に必要とされる間取りのサイズは?

一般的に必要とされている間取りのサイズを、タイプ別に紹介しておきます。

間取り居住者の例
1R20代単身就労者、学生、老人単身者
1DK~1LDK30代キャリアシングル、40~50代単身赴任者、10歳以下の子供1人のシングルマザー
2DK10歳以上の子供1人のシングルマザー、学生や就労者同士の同居
2(S)LDK新婚夫婦、子供無しの共働き夫婦、年輩夫婦
3LDK夫婦と子供1人、夫婦と10歳以下の子供2人、共働き夫婦と片親
4LDK夫婦と10歳以上の子供2人、夫婦と子供1人と片親、共働き夫婦と両親
5LDK二世帯、夫婦と子供3人

…という風に分けられます。ご自身の将来を考慮した間取り選びを考えましょう。

セキュリティ・安全性をチェック優良物件の見分け方

物騒な昨今では、防犯対策や安全面も必ず確認しておきたい項目です。巧妙でかつ凶悪な侵入犯罪は、今や3分に1件の割合いで発生しているといわれています。防犯設備の設置はもちろんですが、まずは狙われないような住まいを意識することが1番の防犯対策なのかもしれません。狙われやすいのは、一般的にマンションの1階、2階、最上階だといわれています。低層階は侵入が容易であり、人目につきにくい最上階も屋上からベランダに下りて侵入されるパターンが多いようです。また玄関が外から見えにくい立地構造になっていたり、窓やベランダ側に目隠しになる建物があったりと犯行が人目につきにくい物件はより注意が必要です。また近隣の住人の顔を知らない人間関係が希薄なマンションは、例え入り口にオートロックがついていても、住人にまぎれて簡単に侵入されてしまい犯行を見逃してしまうケースがあります。

必要な防犯対策は?

凶悪化、巧妙化する犯行の手口の中で、防犯対策にやりすぎはありません。一般的な防犯対策を紹介しましょう。

まず、屋外の設備としては防犯ライトや監視カメラの取り付け。泥棒は光と音に弱いものです。玄関や窓に人が近づくとセンサーにより照明がつく防犯ライトがあると効果的です。また、監視カメラが設置されていたり番犬がいる家も泥棒には敬遠されます。そしてインターホンはモニターカメラ付きのものが良いでしょう。泥棒が留守を確認する方法で最も多い手口がインターホン呼び出しです。住人が応答した場合はセールス等を装おうこともあるようです。侵入者は顔を見られることを恐れるので、カメラや録画機能がついているものがおすすめです。また玄関のドアロックは2つ以上つけるのがよいでしょう。

ピッキングやカム送りなどの手口を使う泥棒は、侵入に時間がかかることを嫌います。単純に鍵が2つついていることだけでも、泥棒があきらめる確率は高くなります。暗証番号などによる電気錠も侵入しにくい鍵とされています。窓からの侵入に対する対策は防犯合わせガラスが最も強力です。2枚のガラスの間に厚みのあるフィルムが挟まれており、破られにくい構造になっています。トイレの窓などには面格子をはることが有効です。また、大金を家に置く場合は床に固定できる金庫の活用が有効です。

安全面は耐震性と耐火性をチェック

住まいに対する永遠のテーマは安全性。心と体が安らげる家であることは必要不可欠な要素です。穏やかな精神状態で暮らすためにも、何かと話題になってきた耐震性はもちろんのこと、防耐火性というのも非常に重要なポイントです。大地震で建物が倒壊するという危険性を避けたいのはもちろん、大震災の後は必ず火災が起きていることからも、免震耐火性も重要な点です。